私が死なない理由
今日、はるか遠くへ行ってしまおうかと思った。
もう、二度と、戻ってこれないほど遠くへ、行ってしまおうかと思った。
もう、嫌だった。
これ以上、苦しみたくなかった。
これ以上、自分を嫌いになりたくなかった。
でも、もう少し、待ってみたら、と言われた。
わたしは何度、人生と自分自身に絶望すればいいのだろう。
この苦しみと、あの時の幸せ、
どちらがほんとうなのか、もうわからない。
なぜ、私は生きているのだろう。
人々が、考えもしないような、本能として当たり前のように持っている、生に対しての熱量が、あまりにも少ない気がする。
死にたい。
もう何度思っただろうか。
なぜ、この先も生きていかなくてはいけないのか、なぜ自死は良くないことなのか、分からなかった。
…いや、今でもわからない。
『私が死なない理由』
それは、家族だ。
私が死んだら、きっと、家族は悲しむから、
だからわたしは死なない。
それが、私の生きる理由。
死なないために、生きている。