人に迷惑をかけてはいけない、という呪い。
『人に迷惑をかけてはいけない』
この言葉は、小さいころからずっと、言われてきたものだ。
何の疑いもなく、当たり前のように、信じてきた。
だけど、年を重ねるにつれて、
この言葉に、縛られることが多くなっていった。
『人に迷惑をかけてはいけない』から、人を頼ることができない。
『人に迷惑をかけてはいけない』から、自分の心に嘘をつく。
そうして、どんどん生きるのが苦しくなっていった。
この言葉自体は、とてもいい言葉だと思う。
迷惑をかけずに済むなら、かけないほうがいい。
でも、『絶対に』『何が何でも』かけてはいけないのかと言われれば、
それは違うと思う。
迷惑をかけてしまうことが、『悪』なのではないのだから。
でも、小さなころからかけ続けられた言葉というのは、
大きくなってからも、なかなか塗り替えることはできない。
頭ではわかっていても、どうしても、体にこびりついてしまっているのだ。
まるで、呪いのように。
同じような呪いは、たくさんある。
『ちゃんとした人間になりなさい』
『社会人として、恥のないように生きろ』
『人の足を引っ張ってはいけない』
『人の役に立ちなさい』
これらはすべて、呪いとなって、私の中に張り付いている。
『これは、間違っている』と
『この思考から解放されてもいいのだ』と、
わかってはいるのに、
ふとした時に、この呪いが顔を出す。
もう、いい加減、解放されたいんだ。
わたしは、私らしく、
ありのままで生きたいんだよ。
だから、もう、消えてくれ。