私はただ、寄り添いたいだけなんだ。
わたしは昔から、
「人の役に立ちたい」
と、思っていました。
でも、「なぜ?」と聞かれると、
理由はわかりませんでした。
そのころから、私は
「私の想いは偽善なんだろうか」
と、悩みました。
自分を正当化させるため、
何かを得るため、
人から信頼されたいため。
いろいろ考えました。
でも、いくら考えてみても、探してみても、
『役に立ちたい』という想いの、理由は見つかりませんでした。
そのうち、
理由なんて無いのかもしれない、と思うようになりました。
私だって、人間です。
神様仏様じゃありません。
だから、人に対してむかついたりもするし、
酷いことを思うことだってあります。
じゃあ、わたしは、どういうときに、
どういう人相手に、
『役に立ちたい』
と思うのだろう、というのを考えました。
そうしたら、いくつか答えのようなものが、見えてきました。
私は、自分の大切な人に対して、役に立ちたいと思うようです。
大切な人が、悲しんだり、苦しんだりしているところは見たくない。
出来れば、たくさん笑っていてほしい。
だから、私が力になりたい、と思うようです。
それから、もう一つ。
私は、苦しんでいる人に対して、役に立ちたいと思うようです。
それは、以前の自分と重なってしまうから。
その苦しみの一部を、理解できるから。
そして、いつか絶対に抜け出せると、知っているから。
人は誰もが、尊い存在です。
この世に、必要ない人間なんていません。
でも、何にも悪くないのに、生きづらさを感じている人、
苦しめられている人、悲しい想いをしている人たちがいます。
そういう人たちの、力になりたい。
少しでも前を向く、手伝いがしたい。
「役に立つ」なんてたいそうなことを言っていたけれど、
私はきっと、寄り添いたいだけなんだろうな。
相手の気持ちを少しでも理解して、
少しでも、助けになれるように。
だから私は、いろんな人の考え方や価値観、生き方や生活をインプットしていくのだろう。
相手についても、見たり聞いたりして知ろうとするのだろう。
どんな時でも寄り添って、支えられるように。